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CASE

2021.08.02

「こどもの生きる力を育む」場所を創りたい。生まれ育った故郷で寺子屋を開業した思いとは。

CASE 001

寺子屋ALOP SCHOOL スクール長

花田翔二郎さん

(所属地域:北海道)

美幌町 東町出身(1986年生まれ)、東陽小学校卒業(’99年)、北中学校卒業(’02年)
北見北斗高校卒業('05)、明治学院大学 文学部 フランス文学科卒業
小中学校の頃は、バスケットボールと恋愛に明け暮れていました。高校と大学ではいい先生に恵まれ、英語が得意でなかったけれど、楽しさを一緒に見出してくれて、好きになりました。社会人では、ITビジネス、営業職、大手外資系企業、美幌商工会議所のまちづくり協議会の事務局として、様々な経験をさせて頂きました。

2021年に地元北海道美幌町で寺子屋ALOP SCHOOLを立ち上げ、「美幌の教育を変えたい」と熱い思いを語る花田翔二郎さん。

実はUターンするまでは教育に関する仕事の経験はありませんでした。
開校準備の段階からあしたの寺子屋プラットフォームに参画し、自身が掲げるビジョンの実現に向けて歩みを進める花田さんに、開校に向けた道のりや参画の経緯、今後の夢についてのお話を伺いました。

 



目次

 

ALOP SCHOOL開校への経緯とこどもたちへの想い

 

教育を0から学ぶ日々。あしたの寺子屋に参画へ

 

ALOP SCHOOLの今後のビジョン。地域の未来への思い



 

 

―ALOP SCHOOL開校への経緯とこどもたちへの思い

まずは花田さんが立ち上げた会社名、そして寺子屋の名前にもなっている”ALOP”という言葉に込めた思いを教えてください。

名前の由来は”Active Link Of People”の頭文字をとって「ALOP」で「アロップ」と読みます。積極的に世界や社会、人々に繋がっていこう、という思いを込めて名付けました。

|ALOP SCHOOLのコンセプトは何ですか?

美幌町のこどもたちにとって世界と繋がる接点となる居場所でありたいと思っています。世に羽ばたくためにも、こどもたちの「ワクワク」や「楽しい」を引き出して、「生きる力を育む」教育を目指しています。

|地元北海道美幌町にUターンをしてからALOP SCHOOLを開業するに至った経緯を教えてください

美幌町の小中学校、北見市の高校を卒業してからは東京の大学に進学しました。卒業後はIT系の商社で営業をずっとやっていました。その後、某大手外資系の保険会社でお仕事させて頂いていました。30歳の時に、地元美幌町の友人たちとの同窓会に参加して、そこで彼らがすごく幸せそうにしている顔を見た時に「ああ、みんな自分らしく生きているな」と感化されちゃいました。これがUターンのきっかけになりました。
Uターンしてからは地元のヨガスタジオ事業の立ち上げですとか、一般社団法人の美幌町観光まちづくり協議会という農林水産省の交付金で運営する、まちづくり会社に携わっておりました。並行して続けていた、家庭教師などを副業で行っていく中で教育事業に興味を持つようになりました。
そんな時に去年の10月にあしたの寺子屋創造プラットフォーム と、嶋本さん*に出会って、自分の考える教育を実現するためにALOP SCHOOLを開業しました。僕の人生が大きく好転した出会いです。
*あしたの寺子屋代表

|地元へのUターン後は様々な仕事を経験されていますが、その中でも特に「子どもの教育」に興味を持ったきっかけは何でしたか?

美幌町観光まちづくり協議会や家庭教師の仕事を通してこどもたちを見ている時に、彼らの教育レベルと僕が中学生だった15年前と比べると変化に乏しかったことに気づき、強い違和感と衝撃を感じたんです。美幌町の教育をなんとかアップデートしていきたい、そう考えてこの事業を立ち上げました。

|先ほどからキーワードとして登場している「生きる力を育む」塾を目指すきっかけは何でしたか?

僕自身、こどものころは、両親に「勉強しろ、勉強しろ」と言われ、進学塾にも通い、いわゆる昭和の学生時代を過ごしていました。偏差値の高い大学に入って、大きな企業に入ってというような一昔前の考え方です。もちろん、メリットもたくさんあるんです。でも東京に出た時、”世界にはいろんな可能性がある”ってことにそこで僕は気がついたんです。
今の時代だからこそ町の中の繋がりはもちろん、オンラインで世界中と繋がることで、もっともっと早い段階で自分の”スキ”なことや可能性に気づくことができるはずだ、むしろ、人口の少ない地元のほうが、時間を有意義に使い雄大な心と考えで、創造性豊かな時間を過ごせるはずだ。そう考え、そのきっかけを作りたいと心の底から思いました。オンラインを使っていろんな人と関わることを軸にした総合型学習塾みたいな形をどうしても取りたかったんです。
美幌町には今このようなタイプの塾はないんですね、ここ以外に。だからこそ、まずは自分が先頭を切ってそういう場を作ってみようと思ったんです。

|事業の立ち上げから半年ほどが経過しましたが、順調ですか?何か障壁はありましたか?

順調ですね(笑)でも、商売としては四苦八苦しています。教育の分野でもしっかりとしたビジネスモデルを構築しつつ、とはいえ、こどもも大人も平等にver.2.0の教育を受ける機会を明確に創っていくことが重要だなと毎日考え行動しています。障壁といえば、自分の目指すビジョンのために、もっとスキルを高める必要があるということでしょうか。前向きに考え多くの障壁に対し、最後の「成功」を掴むために、「未成功」を積み重ね、成長し続けることがこれからの課題となりそうです。

|寺子屋の運営で不安になることはありましたか?

不安があるとすれば僕の場合はどちらかというと教育畑のようなところでやってきていない点ですかね。 まず寺子屋の仕事って何すればいいんだ?というところからスタートしたので、分からないことが本当に多かったです。

 

いつもポジティブで前向きな花田さん。
開校に向けての道のりは順調であったものの、教育事業への経験の少なさからこの分野に関する知識不足を感じていました。
その過程で、あしたの寺子屋との出会いがありました。

―教育を0から学ぶ日々。あしたの寺子屋に参画へ

|ALOP SCHOOLは立ち上げ当初からあしたの寺子屋に参画していましたね。ここの出会いのきっかけは何でしたか?

美幌町観光まちづくり協議会の知人の紹介で、嶋本さんを紹介していただいたことです。この出会いが全ての始まりでした。僕がイメージしていた教育バージョン2.0みたいなことを嶋本さんが次々と授業とかイベントや情報を発信していらっしゃったので(笑)「これでしょ!」 と思ったんです。それが思いが決意に変わった瞬間でした。そこから色々美幌町の人たちを巻き込んで、ダー!と一気に進めました。

|出会ってからすぐに参画を決めたのですね。

そうです。
やはり、自分の力で0から1を作り出そうと思うとかなりやっぱり大変です。そういった意味では連携、パートナーを組めるのは僕みたいな事例で行くと非常にありがたかったです。

|あしたの寺子屋に参画して様々なサポートを受けることで、先ほど挙げていた教育分野での仕事に対する不安は解消されましたか?

はい、もちろんです(笑)大袈裟でもなんでもなく、あしたの寺子屋がなかったら、開業の実現は、なかったかもしれませんね。
本当にまったく違う畑から来たので、最初はお恥ずかしながら探究学習という言葉も知らなかったし、プロジェクトベースドラーニング(PBL)といった基本的な言葉すら知らないところからスタートしていました。あしたの寺子屋の研修などで事前に学んでいなかったら。どうなっていたことか(笑)そもそも、教育のことをいざ学ぼうと思っても、学校に授業を見に行ったらいいのか文部科学省のサイトを見ればいいのかとかほんとそれすらも何も分からない状態だったので。本当に0から100まで色々教えてくれました。
あしたの寺子屋創造プラットフォームにはインフィニティ国際学院の大谷先生やコーチングの第一人者である本間先生など力強く、心強き教育のパイオニアたちがいらっしゃって、皆さんが少しずつこの美幌町と僕たちを支えてくださっているおかげで。それはそれは、非常に大きなバックアップになっています。

|あしたの寺子屋では、全国の寺子屋長同士の横のネットワークとして定期的なミーティングも開催しています。そのような繋がりから得られることは何かありますか?

特に僕はほぼノウハウがゼロでスタートしたので、実際に事業を走らせている方と繋がれるのは本当にありがたいです。ひとりでやっていると、やっぱり自分が本当にこのやり方で合っているのかという迷いも出てくることがあるので。
ただ単純に横で繋がるとか先進地事例を知るというだけではなくて、お互いに仲間意識があるので情報の共有のスピードとか内容の濃さが全然違うと感じています。そのあたり、愛を持って絆を育むあしたの寺子屋のネットワークを利用して連携をしていけることはゼロから始める人間からするとすごくありがたい事ですよ。

|ALOP SCHOOLがあしたの寺子屋ネットワークにいることで、こどもたちも町の外の人たちと繋がる機会も出てくると思いますが、その部分に関してはどのように感じていますか?

大いに期待をさせて頂いていています。やはり美幌町の地域の情報量だとどうしても触ることのできない情報を得ることができるので。
例えば、今回の緊急事態宣言中にスクールでオンライン授業をしていて、ドイツに在住の先生に授業をしてもらったことがあったんです。それもあしたの寺子屋のネットワークがなかったら出会えなかったし、こども達もそういった人たちには会うことができなかったんです。これがこどもたちはもちろん、保護者さんも凄く感化されていました。
こういった部分はすごく分かりやすい利益になるので、今後も期待していくところです。

|他にもあしたの寺子屋のネットワークの繋がりからのメリットはありますか?

海外についてや、英語教育ということに関しては、オンライン上で誰かとと繋がらないと地域には、なかなか得づらいとても貴重な情報です。そもそも海外の人と喋る機会がないですからね。そういった点ではこういったネットワークを通して少しでも海外在住の方や海外にまつわる言葉に触れることができる、というのは、準備から実行までを僕が一人でやっていくとしたらとても時間のかかる部分なので、寺子屋のネットワークで全国と繋がることができることは非常に意味があると考えています。
個人的には、寺子屋のサポートがある種、最強のアフターサービス的に感じています。「そこまでやるの!?」というようなことまで一緒に寄り添ってくれているんです。例えばチラシの内容を一緒に考えるとか、無料体験会のカリキュラムを一緒に作るとか。ということもあって、僕と嶋本さんらは「バディ」って呼びあってます。(笑)一緒に伴走してくれることは、非常に大きなメリットだと思っていますね。

あしたの寺子屋プラットフォームへ参画されたことで得た、開業・運営サポート、教材の提供を通して花田さん自身も不安要素を解消し、また寺子屋長コミュニティではお互い学び合える関係を構築しているようです。
そしてそれ以上にこどもたちが美幌町の外の人々と出会える機会を得ることができてALOP SCHOOLのコンセプトの実現に近づけていることを大きなメリットとして感じていただいています。

―ALOP SCHOOLの今後のビジョン、地域の未来への思い

|”美幌町の教育を変えたい”という思いからできたALOP SCHOOL、生徒さんが集まって来た今どのような姿勢でこどもたちと向き合っていますか?

まず第一に学ぶことを楽しんで貰うこと。特に、従来の教育方法だとこども達はすぐに勉強を嫌いになってしまいかねないので、好きなことややりたいことは勝手に学べる。という本来の「やる気スイッチ」を大切にしています。
また、一人ひとりの可能性を引き出すような形で、なるべく否定をせず自分らしく生きてほしいという思いで接するようにしています。特にALOP SCHOOLは「生きる力を育む」というのがコンセプトになっているので人間力や生きる力とかそういったところのキーワードを伸ばす塾として、心がけてこどもに接しています。

|最後に今後のALOP SCHOOLについてお伺いします。まずは今年の目標を教えてください。

とりあえず今年中に20名くらいにすること、これは達成したいと思っています。20名くらいの規模になると一つの実績としても、言葉の重みとしても、分かりやすくなるので。まずはそこを達成してから、事業の”幅”を広げて行こうかなと思っています。今年は種まきとして人数をしっかり確保していくこと、そして細く長く「継続」するための1年にしたいと思っています。

|将来的なALOP SCHOOLのビジョンを教えてください。

嬉しいことに、近隣の市町村でもALOP SCHOOLの分校を開いて欲しい!といった話を頂いています。全国に教室展開をしていくことも面白いんじゃないかなと思ってます。また、近隣資料村と教育の分野で連携し、道東の教育レベルを点ではなく、面で底上げできるよう、尖ったプロジェクトやイベントを打ち出していくつもりです。
そして、ALOPスクールを卒業したこどもたちが将来グローバルに活躍していく、その子達に美幌町を支えてもらう仕組みを作っていきたいです。美幌町の教育が循環するというようなイメージです。世界に飛び立っていったこどもたちがスクールに会費を納めてくれたりして、それに伴って、講師として繋がったり、関わり続けられる仕組みづくりですね。ALOPのメンバーが出入りする循環を仕組み化することで、卒業生がどんどん美幌町にも関わるし、世界にも飛び立ち、また帰ってくる、というような。あしたの寺子屋もそれに応じてどんどん大きくなっていくはずなので、「人と繋がる」の結果が明瞭になるはずです。

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